外来看護師も大変なのよ…

仕事のこと

こんなやりとりがありました

病棟看護師
病棟看護師

外来って患者さんも基本元気だし、すぐ帰るから楽でしょ?

たまきち
たまきち

いやいや!!

全然楽じゃないし、結構大変なんだよ?

…冒頭から失礼しました。たまきちです

看護師経験15年弱のわたくし、キャリア前半は某大学病院の救急センターで救急病棟・救急外来の交代シフトを経験し、キャリア後半から現在にかけては100床程度の私立病院の外来(救急外来含む)で勤務している

病棟か外来か あくまでも好みの問題だとは思うが、私は外来の仕事が好きでやっている

でもその理由は決して「楽だから」ではないし、実際は結構大変

外来看護師の仕事(外向きでよく見かけるやつ)

外来看護師の主な役割は、患者さんが医師の診察や検査をスムーズに受けられるようサポートすること

受け持ち患者を抱える病棟看護師とは違い、その日外来に訪れる数多くの患者さんが対象となるのだ

実際、わたしが普段している仕事は大体こんな感じ

  • 初診患者の問診
  • 診察の介助
  • 処置の介助
  • 採血などの検査、検査説明
  • 療養指導(介護保険の相談に応じたりもする)
  • 入院患者の受け入れ
  • 救急患者の受け入れ
  • 各部署からの電話相談

患者さんは地域生活を送りながら療養しているので、外来にいるのはほんの短時間

その限られた時間の中でいかに必要な医療ケアを提供できるか、というのが外来看護師の腕の見せ所だし、難しいところだと言える

患者さん、受付事務、他部署からの電話相談、問い合わせもジャンジャン来る

今勤めている病院は大きな総合病院じゃないので、電話で症状を聞いて受診する科を判断したり、そもそも別の病院に誘導すべきか判断することも多々ある(これって電話トリアージだよね)

外来看護師になるには医療に関する知識はもちろん、効率的なコミュニケーション能力や迅速な判断力は必須なのだ

意外に重要なクレーム対処力

患者さんは基本的には外来に来れるくらいは元気だし、家族が付き添っているパターンもある。中には「病院のルールなんか知るもんか!!」というタイプの方もいらっしゃる

入院していると患者さんは必然的にアウェーだし、そもそも入院するくらいには傷つき、弱っている

ただね、外来は患者さんにとっては生活の一部だし、病院終わってからの予定があったり、入院するなんて聞いてなかったり、連れてきたおばあちゃんは入院させてくれないとか家で見切れないんですけど!とかいろんな事情があったりする

そういった患者さんに相対する機会も多いし、ちょっとした伝え方や態度が一気にクレームにつながりやすいのも外来の特徴だと思う

そんな場面に遭遇する、あるいは当事者になることも多くて役職者じゃなくてもクレーム対応スキルは重要だよね、と感じることが多い

ナチュラルにファイティングスタイルになってしまうタイプの先輩が待合で患者さんとバトルしている…なんてこともたまにある(ほかの患者さんが不安になるからやめてさしあげて…泣)

まずは相手の主張を横やり入れずにしっかり聞いて、毅然とした態度で接する…てのがセオリーだが、ペーペーの話を聞いてくれない方やどうしても分かり合えない方(持ち合わせている価値観が違いすぎる)もいるので、そういう時は素直に上のもの(師長)を召喚する

外来看護師の仕事(内向き)

外来看護師の仕事には内向きのものがある ←持論です

  • 外来医のお世話
  • 院内で働く他医療スタッフの橋渡し
  • どんどん変わる病院方針への対処

特に外来医のお世話はほんとうに大変…

外来中はずっと一緒に仕事をしているわけだけど、もちろん相手は人間なので医者とは言ってもいろいろなタイプの先生がいるのだ

その性格や診療のスタイルを見極め、把握して、適切な対応をして診療をスムーズに進める…

患者対応も大事だけど、スムーズな外来運営には先生対応もとっても大事!

苦手なタイプの医者と困っている患者さんの板挟み状態になるとかなり辛い…

だって時間は限られている 「明日聞こう」は外来では通用しないのだ

院内に働く医療スタッフ、特に事務スタッフとの連携は外来において医者の次に重要度が高い

お会計や書類の管理、ちょっと注意が必要な患者さん情報の共有…

受付で一番始めに患者さんと接し、待合での様子を知っている職種の彼らと十分なコミュニケーションが取れていることもスムーズな外来運営では必須条件なのだ

そして病院全体の方針…

これは外来に限ったことではないけど、日本の医療が在宅療養を推進していることと外来が病院の入口であることでテコ入れがとても多い

最近だとコロナ対応で外来はものすごく振り回された

やっと落ち着いてきたものの、感染対策が厳重であることは変わらず、生活習慣病に関する加算や終末期に関する意思決定支援の推進など…取り組むべきことは山積みだ

病院上層部から降りてきた指令を現場で運用可能なレベルに落とし込んで、各スタッフに周知して運用を開始する…これも骨が折れる

なにせ上層部は外来の現場がどれだけ大変か理解していないから、無茶振りが多いのだ

師長・主任クラスの先輩方が頭を抱えているところをよく見かける

いろいろ大変だけど、外来が好き

こんな感じで外来は他部署の方が想像する以上にいろいろと頑張っているし、大変なわけだけど冒頭でも言った通りわたしは外来の仕事が好き

具合が悪そう、不安そうな患者さんが少しでもマシな状態で帰ることができるのを見届けられるのがうれしい

前月は体調が悪かった患者さんが元気なってくれるとうれしい

地域での療養生活に静かに困っている人を見つけて、介護保険の申請やサービス利用をサポートした結果、ちょっと生きやすくなった姿をみると心からよかったな、と思う

他の職種と距離が近いのも、みんなで協力して外来をスムーズにしようとするチーム感があって好き

退院予定の患者さんに会いに行って、退院後の外来ではこんなことを注意してみていくねと伝えたときに安心した顔をしてくれる患者さんや家族の姿をみて頑張ろうと思う

一人ひとりとじっくり関わっていく病棟看護ももちろん素敵

でも外来看護には外来看護のやりがいがあると思うんだ

病棟そういった患者さんに相対する機会も多いし、ちょっとした伝え方や態度が一気にクレームにつながりやすいのも外来の特徴だと思う

業務内容が違いすぎて、病棟VS外来みたいな構図ができちゃうことが多いけど

お互いをリスペクトしながら協力していけたらいいなと思う

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